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| 開会・主催者あいさつ |
共同代表 青木 健(労協ながの代表理事)
主催者あいさつする共同代表 青木 健さん(労協ながの代表理事)

総合司会のワーカーズコープ 関 智子さん
| 来賓あいさつ・祝電披露 |
今年の9月議会で長野県内の全県市町村議会で「速やかな制定を求める意見書」が採択されたことを受け、長野県議会議員の倉田竜彦議員があいさつに立ち、「長野県内は高齢化が進み、第一次産業は本当に厳しく農業や林業をこの協同組合が担っていけるよう、民主党県連幹事長としても民主党国会議員に早期制定を働きかけていきたい」と、ごあいさつをいただきました。

長野県議会議員 倉田竜彦 氏のご挨拶

「法制化に全力を傾ける」 衆議院議員 下条みつ 氏
※民主党 衆議院議員 篠原 孝 様より祝文が届き、披露されました。
| 基調講演 |
テーマ 「市民がつくる仕事と地域〜協同労働の法制化の時代に〜」
講 師 古村伸宏 氏 (ふるむら のぶひろ)
(協同労働法制化市民会議事務局長、日本労働者協同組合連合会専務理事)
日本労働者協同組合連合会の古村伸宏専務が基調講演を行い、「全国完全失業者334万人(昨年255万人・34.9%増)、有効求人倍率0.44(昨年0.8・0.36減)で、完全失業者のうち85万人が雇用保険受給者とすれば、258万人は何も収入が無い中で仕事を探している。さらに、仕事を探すことをあきらめてしまった人たちは334万人には含まれていない。長野県は0.43倍だが昨年0.87倍で全国の水準を下回ってきており、完全失業者は52,000人で昨年より57.6%増で、昨年に比べると悪化が激しい状況で進んでいることを、法制化を求める背景として強く認識してほしい。」と情勢に触れ、「失業者が孤立し、頼れる場が無くなっている。一人ひとりのつながりが分断されてきたことで、レガタム反映指数は日本が16位で、特に「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)」=「信頼できる人間関係と堅固なコミュニティ」の弱さが社会の根底にある。仕事に就けたとしても、社会の中で孤立する姿は改善されないということだ。」とし、その人間関係と堅固なコミュニティを取り戻すためには、「働くことをもう一度考え直すことがきっかけになる。協同労働の意義はそこにある。」と、法制化の意義を分かり易く説明し、法制化運動の到達点を報告しました。
また、古村氏は、「法制化運動の本質は、今まで手放されてきた「手間暇をかける」「みんなが苦労する」ことをあえて追求し、その中から人間らしい「本質的な価値」を見いだしていくことで大きな力になっていく」とし、書籍『すごい弁当力』を紹介。小学校で「自分の弁当を作ってくる日」を設定し、子どもたちがお弁当をつくることによって、おかあさんの愛情を理解したり、校長先生から卒業生への手紙の中で「弁当の日」から学んだことが感動として伝わることを紹介し、「自分たちでつくる」を促進し、「仲間をつくる」の拡大をし、「役割を見出す」の創造が人間の成長につながる。協同労働は、効率よりも、みんなで話し合い、ぶつかり合い、失敗しながら、仕事をつくっていく。そのことが人間的な関係をつくり、一人ひとりを育てていく。職場から地域に協同労働が広がる時、手間暇かけることの価値が伝わり、力をもっていく。長野県で協同労働を広げるために、どんな仕事をどんな地域でつくるのかを考えていくことと、地域で仕事おこしを進めるための社会的なバックアップとなるコミュニティ事業支援条例の制定を働きかけ、地域で仕事を求める人たちと一緒に仕事おこしを。」と呼びかけました。
基調講演 講師 古村伸宏 氏

| 地域発・仕事おこしの実践報告 |
「地域発・仕事おこしの実践報告」では、NPO法人さくら会・花形春樹さん、NPO法人共生舎・中村信行さん、労協ながの・若者サポートステーションの松林弘行さんがそれぞれ仕事おこしの実践報告をしました。
NPO法人さくら会・花形春樹さんは、「仕事おこしをしようとは一度も思わなかった」が、「精神障害者の共同住居づくりと誰にもやさしい地域づくり・街づくり」に平成7年から取り組み、施設の箱物の中だけでの生活でなく、地域の中で多くの人たちとふれあいながら生活したり働くことが、結果的に地域の人たちの偏見を和らげ、病気への理解に繋がっていった。「お茶のみサロン」「地域の便利屋さん」、フリーマーケットの運営や、障害者の自主作品を販売する「のんびり屋ララ」や高齢になったお菓子屋さんを引き継いで運営し、さくら会でつくった野菜なども販売や配達をして、障害をもった仲間も、福祉の受け手としてだけでなく、共に支え合える一市民として地域に根ざした存在になり得る。その活動が、結果的に仕事づくりとなり、協同労働の概念と一致すると、報告。

NPO法人さくら会 花形春樹 氏 (左)
続いて、NPO法人共生舎理事で小布施町議会議員の中村信行さんは、「小布施町で宅幼老所を運営している。町議会議員もしており、9月議会で意見書採択にあたり紹介議員を引き受けた。NPO法10年を迎え県内775法人中333法人が保健医療福祉分野になる。協同労働の協同組合法制定はNPO法の限界を越えるものとして期待している。それは、NPO法人で運営している中での矛盾を感じているからです。共生舎は4年前に宅幼老所を開設しましたが、NPOの活動や事業運営という経験が乏しかったこともあり、一年後には女性看護師が離散してしまった。当時は、協同して出資したり経営するという議論もできず、「働ければ」という思いで来た人たちが、低い労働条件と反比例する責任の重さに不安が生まれて、安定した労働条件の施設に流れてしまった。認知症の高齢者介護は、身体介護より介護度が低くても、一人ひとり対応していく必要があるので、事業的な採算性は低くなる。スタッフ一人ひとりのケアの資質が求められ、認知症ケアにストレスを感じる人は仕事が続かないという結果につながる。NPO法人の介護スタッフが何のために働くのかが問われている中で、自らが出資し、自らが運営するという形態に一つの答えがある」と、期待を表明。

NPO法人共生舎 中村信行 氏 (中央)
労協ながの・ながの若者サポートステーションの松林弘行さんは、「ながの若者サポートステーションが2008年7月に開所し、カウンセリングや仕事体験、講座・イベント等のプログラムを軸とした就労支援が始まりました。現在では140名近くの方が登録をされています。サポステを訪れる若者の多くは、今まで一度も働いたことがなかったり、人間関係のつまずきで離転職を繰り返したりと様々ですが、一番多く聞かれるのがブランクや離転職に対する悩みです。ブランクや離転職は消せない過去であり、どうすることもできません。不況による解雇・派遣切りが後を絶たず、働きたくても働けないという人が増え続ける中、その中でサポステ利用の若者が就職を勝ち取っていくことは非常に難しい。しかし、「いつまでも他に頼っていてはいけない。自分たちで体験の場を、働くことが困難な若者がいれば、その若者にとってふさわしい新たな仕事場を創ろう」という気づきを得て、仕事おこしの一環として、今年6月から「自給自足のすすめ!農業体験プロジェクト」というプロジェクトを開始しました。ジャガイモ、カボチャ、ニンジン、大根などを育て、初めは1名の参加が次第に2、3人と増え、現在では10人前後が集まっています。育てた野菜の一部は、労協ながの運営のレストラン虹、お弁当製造・販売のころぼっくるながので使用していただきました。」と、若者とともに協同労働による仕事おこしに挑戦を始めたことを報告。
自身の体験で「昨年の今頃は無職でした。一日でも早く仕事に就きたいと何十社も応募しましたが、書類選考で落とされることが多く、面接にも辿り着けませんでした。一緒に面接を受けた人に「落ちればいい」とさえ思うようになりました。最終的に労協ながのに入職させていただくことができましたが、入職するまで協同労働という働き方について考えたこともありませんでした。なぜなら、労働とは雇われるか、自分が社長になるかそのどちらかしかないと思っていたからです。ある意味では、それしかないと思っていたので、他の働き方に目が向かなかったのかもしれません。入職してから協同労働ということを少しずつ学ばせていただく中で、従来の考え方に協同労働が加わり、視野を広げることができました。
つまり、今までは「面接で何度も落とされる、俺は駄目な人間だ」という思いから「まだ諦めるのは早い、協同労働があるじゃないか」という思いに変化させることができるということです。働きたくても働けない人が増え続け、誰もが雇われることに必死です。数少ない求人の中、就職できなかった人はどこに向かえばいいのでしょうか。「自分さえよければいい、面接を一緒に受けた人が落ちればいい」と思っていた自分が相手の成功を喜べるようになった。
協同労働は、先の見えない不安に活路を見出し、自分自身の考えを変化させ、希望や夢を生みだし、誰もが人間らしい生き方・働き方を実現できるのではないかと確信しています。」と、協同労働への確信と可能性を発信しました。

ながの若者サポートステーション 松林弘行 氏 (右)


| フロアー発言・意見交換 |
コメンテイター 古村伸宏氏、 コーディネーター 鈴木友子さん
鈴木友子・長野高齢協専務理事のコーディネートによるフロア発言・意見交換では、労協ながのの増田さんより、「SOSネットワーク」の反貧困と生活困窮者の支援活動に参加し、有効求人倍率が0.38の地域でありながら、ハローワークにはもう求職者はいない、外国人労働者は国に帰り、仕事を求める人たちはハローワークに行っても仕事は無いし、あっても年齢制限がある。既に就職をあきらめていると、実態を報告し、会場に支援カンパの訴えをしました。
<集会当日は、30,651円のカンパが集まりました>

SOSネットワーク上伊那・諏訪の取り組みを紹介
労協ながの 増田收人さん
集会の総合司会を務めたワーカーズコープ上田事業所の関智子さんからは、協同労働の協同組合法が成立したら、NPO法人から法人格を移行しようと考えているかとの鋭い質問があり、「内容見てよく検討したい(花形さん)」「雇用関係が持ち込まれて限界も感じている。NPO法人から移行しやすいものになれば(中村さん)」との期待も表明されました。

NPO法人ワーカーズコープ 関 智子さん
時間いっぱいまで意見交換を行い、コメンテイターの古村さんはまとめで、法制化によって何が変わるのかを考える時、自分たちやっている仕事と生活が無関係なのか考えてほしい。地域がどう変わるかということは、実は自分たちが変わらないと地域も社会も変わらないことの裏返しだ。自分たちの生活が仕事とどうかかわっていくのか、そのことを話し合っていくことができる職場や仲間をつくっていくこと、広げていくことが、仕事の中身や範囲を変えていくことにつながる。
鳩山首相が、「誰もが居場所と出番のある社会を」と言っていたが、言葉を換えると、居場所は人の輪の中に自分がいて、属していていいという安心感も含めた居場所があること。出番は、他人から認められ、そのことを通じて自分が主体になれることを大事にしようということだと感じた。主体性と連帯性という働き方や人間の関係が、雇われて働くことよりも、協同労働が確かによい仕事を生み出せるか、そのことが決定的に広がるかどうかの勝負どころだと感じている。
協同労働が本当に「よい仕事」を産み出すことができるかどうかに、最大の目標を置くべきだ。よい仕事の要素の一つとして、手間暇かけて自分たちの仕事が、本当に人や地域を変えていく仕事になっているのかどうか、そう考える人たちをどれだけ周りに増やせるのかが成果であり、文化や地域づくりに繋がっていくと思う。誰のため仕事か、何ための仕事か、連帯性と主体性のある仕事を考え合ってほしい。
松林さんが発言していた、他人が落ちればいいということから反転して、他人の成功を喜べることを大事にできることになったということは、人と人がいつも対立していたり競争している社会から抜け出すきっかけに協同労働がなっていく可能性があるということであり、その協同労働をみんなで追求してほしい。今日参加した人が、丁寧に地域の中に広げてほしい、とまとめました。

| 閉会あいさつ |
共同代表の相良孝雄・労協センター事業団・事業本部事務局長より、長野県216万人の1%となる21,600人が協同労働で働ける長野県をめざそうと呼びかけ、閉会しました。

共同代表の NPO法人ワーカーズコープ 相良孝雄さん
| 資 料 集 |